3話オムニバスで三船敏郎の喜劇というのは初めて観た

映画『石中先生行状記』は石坂洋次郎の原作による、3話オムニバスです。
なんといっても、第3話です。
三船敏郎の喜劇というのは、初めて観た。
三船は、女性の前では無口になってしまう武骨な農家の長男役です。
ひょんなことから、彼の荷馬車で眠りこんでしまった若い娘を家に連れてきてしまう
飯田蝶子扮する三船の母親のすすめもあり、若い娘は一晩、家に泊めてもらうことになった。
小さな身体で、いつも大きな声で笑っている娘を若山セツ子が演じている。
夕食になった。
若い娘のいる夕食はいつもより賑やかなようです。
娘は、ご飯がおいしい、漬け物がおいしいと、お代わりを重ねる。
屈託ない元気な娘をみる飯田蝶子の目が、やさしい。
三船も娘のことが気になって仕方がない。
ちょろちょろと盗み見するのだが、話しかけられると途端にムスッとした顔になってしまう。
このやりとりが、とにかく笑える。
なんだかんだあって、翌朝、二人に別れが訪れる。
そして、最後の最後になって無口だった男がとった行動とは・・・。
いいラストシーンだったなあ。
なんとこの映画、三船敏郎が若山セツ子とデュエットで「青い山脈」を歌うという大サービスまである。
三船敏郎が、“若く明るい歌声に・・・”と笑顔で歌っていた。
黒沢映画では、絶対に見せないような笑顔だった。

 

http://f3enablers.org/

http://z5b7eszm.cocolog-nifty.com/blog/

http://z5b7eszm.anime-ranking.net/